ダヤンの誕生とBirthday Book(1976~1986)

 1976年、はじめて「わちふぃーるど」という名前が公式に誕生したのは、母親とともに始めた「革工房わちふぃーるど」としてでした。
 1983年、自由が丘に革細工を主体としたお店を出したことからわちふぃーるどの歴史は動き出します。

シンボルマークとして『ダヤン』が誕生。

 開店当初、ダヤンの存在は空想の世界にとどまっていました。
お店に必要なラッピングペーパーや手さげ袋を作らなくてはなりません。
さてデザインはどうしようか? こんな事から、ダヤンは初めて現実の世界に現れたのです。

念願の書店展開へ……(1987~1994)


Birthday Book VolⅠ「12の月の物語」1987年初版

 その時にはすでに、不思議な国としてのわちふぃーるどの大まかな構想が出来ていたのです。
 当時から世界観や、主要キャラクターを活かせる絵本の出版に魅力を感じ、はじめての小さなお話を集めてBirthday Book VolⅠ「12の月の物語」を自力で刊行しました。



(左)初の絵本「ダヤンのおいしい夢」1988年初版
(右)ミニ絵本ダヤンズコレクション1993年初版

 やがて、ほるぷ出版から念願の初の絵本「ダヤンのおいしいゆめ」が発売され、それからは更に大きく広く不思議な国の世界を描いていくようになったのです。

 その後1993年ミニ絵本ダヤンズコレクションブックシリーズを刊行。
「ダヤンのたんじょうび」から始まったこのシリーズは主要キャラクターのエピソードやお祭りなどを織り交ぜ、英語版を含めて数十冊が書店に並ぶ事となりました。

画集・長編ファンタジーそして木ノ花美術館(1995~1999)


河口湖木ノ花美術館全景
 作品のターニングポイントのひとつは、「タシールエニット博物館」という画集。
絵本のような物語に沿ったいわば挿絵ではなく、1枚の絵が全てを語るつもりで描いた作品集となり、そのひとつひとつの場面は、やがて壮大な長編物語の構想へとつながったのです。

 さらに、出版記念原画展を銀座・彩鳳堂画廊にて開催。 後に全国10箇所で原画展を開催するに至りました。
 そして、1998年念願の河口湖木ノ花美術館がオープン。
「池田あきこの世界」が常設展示される事となりました。

1999年ついに、長編ファンタジー第1作「ダヤン、わちふぃーるどへ」が刊行。
次々と続編が出版され、2007年「ダヤンタシルに帰る」にて完結となり、 これを記念して愛蔵版「ダヤンとわちふぃーるど物語」も出版されました。

スケッチ旅行そしてボルネオの森へ(2000~)

 現実の旅もまた、作家活動の枠を大きく広げるために欠かせないものとなりました。

 旅のあれこれをスケッチと軽快な文章で綴ったスケッチ紀行の数々もさることながら、その目で実際に捉えた未知の世界が、作品には大きな影響を与えています。

 モロッコに旅したあとには「サウス風物詩」という画集が、ボルネオに旅したあとには「森の音を聞いてごらん」という絵本が出来上がりました。
 はっきりとこの地の事という本ばかりでなく、様々な言葉に、様々な絵の構成に現実の世界がちりばめられているのです。

そして2009年ボルネオへの旅こそ、ライフワークのひとつとなった「Save the Forestダヤンの故郷地球を守ろう」の始まりでした。


ボルネオにて本人
 翌年2010年、絵本月刊誌モエの巻頭特集をしていただく際に、テーマを『ダヤンの故郷地球を守ろう―SAVE THE FOREST―』という提案をし、再びボルネオを訪れることができたのです。
 その旅で感じたことは、自然な森である熱帯雨林の圧倒的な美しさと前回のツアーのときに危惧したプランテーションによる森の分断と消滅でした。
 ボルネオには固有種だけでも300種を超えると言われるくらいたくさんの生物が住み、豊かな生態系の中にあります。
 少しでも森を守り、そこを住処とする動植物を絶やさないように、自分に出来ることからはじめたいと強く思うようになったのです。
現在もボルネオの多様な動植物の生態系を守るため、ボルネオ保全トラストジャパンを通して、『緑の回廊』作りに協力をしています。

作家活動から講演・チャリティーetc

ダヤンが生まれて30年を迎える今、コレクションブックシリーズに代表される多数の絵本や、タシールエニット博物館、タシルの街とフォーンの森のような大型の画集。 そして、わちふぃーるど物語という長編シリーズ。 そのほかにも、「パステル教室」のような絵描きとしての技法書や、わちふぃーるどのお祭り、四季の楽しみを紹介した本、タシルの街のごちそうのレシピブックなどなど、その幅はとどまるところを知りません。

わちふぃーるどの世界を描く作品以外の活動としては、縁のある「ボルネオの動物と緑を守る・緑の回廊計画」を広め一般に知っていってもらうための講演会や、東日本大震災の復興のためのチャリティー、小学校の教科書の挿絵、また全国の図書館や学校などで絵を描く楽しさを広めるワークショップ、講演などなど意欲的に行っています。


新しい国語 三-下- 東京書籍

手袋を買いに 新美 南吉 ● 挿絵 池田あきこ -1-

手袋を買いに 新美 南吉 ● 挿絵 池田あきこ -2-
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